チュートリアル

シナリオ別に、はじめてでも迷わない手順を紹介します

ワークフロー

かんたんコース:これ1本で完結

初心者・とりあえず試してみたい方向け

スマホやPCの内蔵マイクで録音した音声でもOK。収録からノイズ除去・バイノーラル編集・書き出しまで、ASMR えんじんだけで完結できます。
機材や他のソフトは不要です。

こだわりコース:外部ソフトと組み合わせ

音質にこだわりたい・本格的な作品制作をしたい方向け

コンデンサーマイクやオーディオインターフェースで収録し、DAW・Audacity等でノイズ処理済みの音声素材をASMR えんじんに読み込みます。
高品質な素材を活かしたバイノーラル編集に集中できます。

収録(外部) ノイズ処理(外部) 分割 定位設定 SE追加 書き出し
▶ ここから ASMR えんじん

はじめてのASMR音声を作る

音声ファイルを読み込んでからバイノーラル音声として書き出すまでの全体の流れを紹介します。各ステップの詳しい操作は、それぞれのシナリオで解説しています。

1

音声ファイルを読み込む

アプリを起動し、録音済みの音声ファイル(WAV / MP3 / FLAC / OGG / Opus / WMA)をドラッグ&ドロップでタイムラインに追加します。左耳・右耳・両耳のトラックに配置していきます。

2

バイノーラル定位を設定する

編集パネルで音の定位(方位・距離・高さ)を調整し、耳間モードやボイスプリセットを選びます。これにより、ヘッドホンで聴いたときに立体的に聞こえるバイノーラル音声になります。

3

ノイズを除去する(必要に応じて)

録音にノイズが入っている場合は、AIノイズ除去やハム音除去で取り除きます。元の音声ファイルは変更されないので安心です。

4

プレビューで確認する

再生ボタンでプレビュー再生し、ヘッドホンで定位や音質を確認します。問題があれば設定を調整してください。

5

書き出す

完成したら WAV ファイルまたは動画として書き出します。販売用には WAV 24bit、SNS投稿用には動画エクスポートがおすすめです。

各ステップの詳しい操作は、以下のシナリオで解説しています:

バイノーラル定位を設定する

音がどの方向からどのくらいの距離で聞こえるかを設定します。ヘッドホンで聴いたときの「音の位置」を自由にコントロールできます。

1

定位を調整する

タイムライン上のクリップを選択し、編集パネルの定位セクションを開きます。円をドラッグして音の位置を設定してください。

方位

音の左右方向。0°=正面、90°=右耳、180°=背後、270°=左耳。レーントラックでは自動固定。

距離

6段階のプリセット(密着 / 耳元 / 近い / 普通 / やや遠 / 遠い)から選択。デフォルトは「耳元」。近いほど明瞭で低音が豊か(近接効果)、遠いほど高域がロールオフしてこもった音に。

高さ

上下の角度。−45°=下、0°=水平、+45°=上。耳かき・頭上SEなど高さの表現に。

距離は音質にも影響します。近距離(「近い」以内)では低域が強調される「近接効果」、遠距離では高域ロールオフ+残響増加が自動で働きます。
2

耳間モードを選ぶ

左右の耳にどう音が届くかを決めます。クリップごとに設定できます。よりリアルな聞こえ方にしたい場合は「ダミヘ再現」がおすすめです。

完全分離

左右トラックの音が反対の耳に一切漏れません。

  • くっきりした左右の分離感
  • 片耳ずつ交互に語りかけるシーンに最適
  • 演出的でドラマチック

ダミヘ再現

実際のダミーヘッドマイク録音のように、音が反対の耳にも少し届きます。

  • 自然でリアルな聞こえ方
  • 臨場感を重視する作品に最適
  • クロストーク量で漏れ具合を調整

クロストーク量(ダミヘ再現 選択時のみ)

0%
完全分離と同じ(漏れなし)
1.5〜3%(おすすめ)
自然な漏れ具合。リアルなダミーヘッドに近い
4〜5%
左右差が小さく、スピーカーで聴く感覚に近づく
3

ボイスプリセットを選ぶ

声の演技スタイルに合わせた音質補正です。クリップ(ファイル)単位で設定します。距離が近いほど効果が強く、遠ざかると自然にフェードアウトします。

ささやき 高域圧縮
息遣いを強調し、高域の空気感を持ち上げます。
シビランス(歯擦音)を抑え、コンプレッサーで音量差を均一に。
ASMR定番のささやき声に最適。
吐息 空気感↑↑近接↑↑
耳元の空気感を最大限に再現。
12kHz以上を大きくブースト、コンプレッサーなしで息の強弱をそのまま活かします。
吐息・呼吸音・風の演出に。
通常会話 デフォルト
自然でフラットな音質。余計な味付けをせず素の声を活かします。
適度なコンプレッサーで安定。ナレーション・会話シーンに。
小声 空気感↑温↑
ささやきと通常会話の中間。
穏やかなプレゼンスとほんのりした温かみ。
優しく語りかけるシーン、寝かしつけに。
ナチュラル
音質補正を一切かけません。別ソフトで処理済みの素材や自分でEQをかけた音源に。

強度スライダー

プリセットの効き具合を 0〜100% で調整できます。音が近い(「近い」以内)ときは効果が最大、遠くなるにつれて自然にフェードアウトし、「やや遠」以上ではプリセットの効果がなくなります。

クリップごとに設定

プリセットはクリップ(ファイル)単位で設定します。新しく追加するクリップの初期プリセットは、ヘルプタブの設定セクションで変更できます。

4

残響(リバーブ)を設定する

音に空間の響きを加えます。ON/OFF で切り替え、強さスライダーで響きの深さを調整します。

強さ(Wet)

5%
ほぼ聞こえない微かな響き
40%(デフォルト)
自然な部屋感
100%
重厚な残響(お風呂やホールのような効果)
距離移動が有効な場合、距離に応じて残響量が自動調整されます(近い=少、遠い=多)。
5

移動を設定する(任意)

再生中に音の位置を動かす演出です。クリップの再生時間をかけて滑らかに移動します。必要に応じて設定してください。

お耳移動

音を左右に動かします。「耳元を横切る」演出に。顔の前/頭の後ろを通るルートを選択できます。レーントラックではクリップ終了時に別のレーン(右耳→左耳など)へ移動させることもできます。

距離移動

音を近づけたり遠ざけたり。音質・残響・近接効果がリアルタイムに変化します。

お耳移動と距離移動はどちらか一方を選択して適用します。同時には使えません。

移動の緩急

お耳移動・距離移動の速度変化を設定します。

一定速度で移動

始まりから終わりまで同じ速さ。機械的で予測しやすい。

ゆっくり→速く→ゆっくり ★おすすめ

最も自然で有機的な動き。迷ったらこれ。

ゆっくり始まる

ゆっくり動き出して加速。「じわじわ近づく」演出に。

ゆっくり止まる

速く動き出して減速。「すっと離れる」演出に。

ノイズを除去する

録音時のノイズを除去します。クリップごとに適用でき、処理結果は一時ファイルに保存されるため元の音声ファイルは一切変更されません。「クリア」ボタンで処理前の状態にいつでも戻せます。

1

AIノイズ除去を試す

クリップを選択し、ノイズ除去セクションを開きます。まずはAIノイズ除去(DeepFilterNet)を試してみてください。背景ノイズ・エアコン音・PCファン音などを自動で認識して除去します。

控えめ(5〜30)
軽いノイズ向け。声質の変化を最小限に抑えます
おすすめ(30〜50)
バランスが良い設定。大半の環境ノイズを除去できます
強め(50〜100)
強いノイズ向け。声に不自然さが出る場合があります
2

従来のノイズ処理を追加する(必要に応じて)

AIノイズ除去で取り切れないノイズがある場合は、以下の処理を組み合わせて使えます。

ハム音除去

電源由来のブーン音を除去。日本/米国=60Hz、欧州/豪州=50Hz。基本波+倍音をピンポイントでカット。

ノイズゲート

閾値より小さい音を無音化。無言区間のサーッ音を消す。閾値は −80〜−10dB の範囲で設定可能(おすすめ:−45〜−30dB)。リリース 約100ms がおすすめ。

クリック除去

パチッ・プチッという突発ノイズを検出して除去。閾値 0.2〜0.4 が通常十分。

3

プレビューに適用する

「プレビューに適用」ボタンを押すと、① AI除去 → ② ハム/ゲート/クリック除去 の順に処理されます。結果を聴いて、問題があればパラメータを調整してください。処理はキャッシュされるので、「クリア」ボタンで元に戻せます。

4

音量を揃える(任意)

クリップ間で音量がバラバラな場合は「音量を自動で揃える」機能が便利です。

音量を自動で揃える

SE以外の全トラックの全クリップを計測し、ピーク音量を −1dBFS に統一します。元のWAVは変更せず、アプリ内の再生音量だけ調整。ブースト上限は +6dB(2倍)。

SE以外の全トラックが対象です。

書き出し

編集した音声をWAVファイルや動画として書き出します。プロジェクト名がデフォルトのファイル名に使われます。

音声として書き出す(WAV)

1

書き出し形式を選ぶ

バイノーラル処理済みの音声を WAV ファイルとして書き出します。用途に合わせてビット深度を選んでください。

WAV 16bit
標準品質。ファイルサイズ最小。SNS投稿やプレビュー用に
WAV 24bit(推奨)
プロ品質の音声。配信サイトへの入稿・販売に最適
WAV 32bit float
最高品質。別ソフトで後から追加編集する場合に。ファイルサイズ大
2

プレビューで確認して書き出す

書き出し前にプレビュー再生で波形を確認できます。問題なければ書き出しボタンを押してください。

書き出し中は進捗モーダルが表示され、読み込み状況やレンダリング進捗を確認できます。キャンセルボタンでいつでも中断できます。大量のクリップを含むプロジェクトでもスムーズに書き出せます。

動画として書き出す(MP4)

X(Twitter)やYouTubeへの投稿用に、音声をスペクトルアニメーション付きの MP4 動画に変換します。別の動画編集ソフトは不要です。

1

プラットフォームとサイズを選ぶ

プラットフォーム

X または YouTube を選択。それぞれの最適解像度と時間制限が自動適用されます。

サイズ

横長(16:9)・縦長/Short(9:16)・正方形(1:1) の3種類。投稿先に合わせて選択。

2

テンプレートを選ぶ

単色カラーテンプレート

6色から選択。アイコン画像のアップロードやフレームのON/OFFも設定できます。

通話画面テンプレート

7色から選択。表示名(最大20文字)、タイマー、ミュート/スピーカーボタンなど通話UIを再現します。

3

書き出す

設定が完了したら書き出しボタンを押してください。MP4動画が生成されます。

ファイル名にはプロジェクト名が自動挿入されます。結合エクスポートでは一番上のファイル名が参照されます。

音声を分割する

他のソフトウェアで1本のWAVとして録音した音声を、シーンやセリフごとにクリップに分割します。手動カットと無音分割の2つの方法があります。

収録のコツ: 他のソフトで録音するときに、セリフとセリフの間に1〜2秒の無音を意識して空けておくと、無音分割で自動的にきれいに分割できます。
1

手動でカットする

再生ヘッドを分割したい位置に移動し、X キーを押す(またはコンテキストメニューから「カット」を選択)と、クリップがその位置で2つに分かれます。分割したいポイントが決まっている場合に使います。

2

無音分割で自動的に分ける

クリップを右クリックし、コンテキストメニューの「無音分割」を使います。無音区間を自動検出してクリップを複数に分割します。1本の長い録音データをセリフごとに分けたい場合に便利です。

パラメータ

検出閾値(−60 〜 −20dB)
この音量より小さい区間を「無音」とみなします。デフォルトは −40dB。録音環境にノイズが多い場合は −30dB 程度に上げてください。
最小無音長(0.1 〜 2.0秒)
この長さ以上の無音区間で分割します。デフォルトは 0.3秒。短すぎると息継ぎでも分割されるので、セリフ間の間隔に合わせて調整してください。
3

不要な部分を削除・調整する

分割後、不要なクリップは選択して Delete キーで削除できます。分割位置が気になる場合はクリップの端をドラッグしてトリムを調整してください。

活用例: 他の録音ソフトで通して収録した1本のWAVを読み込み → 無音分割でセリフごとに分割 → 各クリップに定位・プリセットを設定 → 書き出し。1本の録音から本格的なバイノーラル作品を作れます。

複数ファイルを結合する

複数の音声ファイルを1つに結合したり、動画ファイルから音声を抽出できます。結合タブで操作します。

1

ファイルを追加する

結合タブを開き、音声ファイルをドラッグ&ドロップで追加します。ドラッグ操作で並び替えもできます。

2

無音を挿入する(任意)

ファイル間に 0〜60秒(0.5秒刻み)の無音を挿入できます。「一括設定」ですべてのファイル間に同じ長さの無音を設定することも可能です。

3

プレビューで確認する

ファイルごとに波形表示と再生確認ができます。順番や無音の長さが問題ないか確認してください。

4

書き出す

WAV 24bit または 32bit で1つのファイルに結合して書き出します。

動画から音声抽出

MP4・MOV ファイルから音声だけを WAV 24bit ステレオで抽出できます。10分以内の動画に対応しています。

SEを追加する

効果音(SE)をタイムラインに配置して、ASMR作品をより豊かに演出できます。

1

SEトラックにファイルを配置する

タイムラインの「SE」トラックに効果音ファイルをドラッグ&ドロップで追加します。SEトラックの音声はバイノーラル処理やボイスプリセットの対象外で、そのまま(ステレオ / モノラル)再生されます。

2

位置とタイミングを調整する

SEクリップをドラッグしてタイムライン上の好きな位置に配置します。スナップ機能を使うと正確にタイミングを合わせられます(0.25秒 / 0.5秒 / 1.0秒)。

3

SE素材を探す

PC内の任意のフォルダをSEライブラリとして登録できます。登録したフォルダ内のSE音源をアプリからすばやく呼び出し、ワンクリックでタイムラインに追加できます。

SEは音量の自動均一化の対象外です。SE自体の音量はクリップの音量設定で調整してください。

配信モードを使う

配信モード(ストリームモード)を使うと、マイク音声にリアルタイムで空間定位処理をかけて配信できます。バイノーラルマイクなしで耳元ASMR体験を提供できます。

概要

メインエリアの「ひだり」「みぎ」「うしろ」の3ゾーンにマウスを乗せるだけで、音の定位がリアルタイムに切り替わります。アクティブゾーンには「LIVE」バッジと波形アニメーションが表示され、中央のヘッド図で現在の定位方向を視覚的に確認できます。移動中は「移動中…」ステータスが表示されます。ウィンドウが非アクティブになると自動で「うしろ」に戻ります。

コントロールバー

上部コントロールバーで配信に必要な設定を行います。

入力デバイス
使用するマイクを選択します。「既定」を選ぶとOSの既定マイクが自動選択されます。
出力デバイス
音声出力先を選択します。デスクトップ版で利用可能(Web版はブラウザ依存)。
ライブ出力 ON/OFF
ONにすると、マイク → 空間定位処理 → 出力デバイスにリアルタイム再生されます。
ささやき強調 ON/OFF
ささやき声の音量を持ち上げ、息づかいのエアー感を強調します。バイノーラルマイク風の音質に近づけます。
ノイズゲート ON/OFF
無音時のマイクノイズ(ファン音等)を自動カットします。感度スライダー(-80dB〜-20dB)で調整できます。
音量スライダー
出力音量を0〜100%で調整します。
お耳移動クロスフェード
エリア切替時の音の移動の滑らかさを調整します(0.5秒〜10秒)。短いと素早く、長いとふんわり移動します。
80Hzハイパスフィルタ(振動・ポップノイズ除去)、ソフトリミッター(音割れ防止)、声の帯域(200Hz〜6kHz)のみの定位処理は常時自動で有効です。設定は不要です。

テスト録音

自分の声に定位処理がかかった状態をヘッドホンで確認できる機能です。

1

● ボタンで録音開始

最大10秒で自動停止します。録音中は経過秒数が表示されます。ライブ出力がOFFの状態でも録音可能です(エンジンが自動起動し、音声処理はされますがスピーカーからは無音です)。

2

▶ ボタンで再生

録音データがあるときのみ表示されます。ささやき強調・ノイズゲート等すべての処理が反映されたステレオ音声を確認できます。録音中にゾーンを切り替えると、定位の移動も録音に含まれます。

テスト録音データはアプリを閉じると消えます(エクスポート・保存機能なし)。配信前のマイクチェックや、クロスフェード速度・ささやき強調の効き具合の聴き比べに活用してください。

Web版の制限

Web版でライブ出力を初めてONにすると、遅延に関するモーダルが1回表示されます。ブラウザの制約によりリアルタイムモニタリングには遅延が発生します。OKボタンで閉じるとライブ出力がONになり、セッション中は再表示されません。より低遅延で利用するにはデスクトップアプリ版をご利用ください。

OBSでの配信設定

OBS Studioを使ってASMR えんじんの配信音声をキャプチャする手順です。

1

アプリケーション音声キャプチャを追加

OBSで「ソース追加」→「アプリケーション音声キャプチャ」を選択します。

2

ASMR Enjine を選択

対象アプリケーションに「ASMR Enjine」を選択します。

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出力デバイスを設定

自分の声を聞きたくない場合は、ASMR えんじんの出力デバイスをスピーカーのないモニター等に設定してください。OBSの音声チャンネルはステレオ(2ch)で問題ありません。

左手キーボードショートカット

右手はマウスでタイムライン操作、左手だけで頻出操作を完結できるショートカット配置です。デスクトップ版で利用できます。

左手ホームポジション

以下の指配置を基本にすると、マウスから手を離さず編集操作を行えます。

小指 / 薬指
Shift / Ctrl(修飾キー)
中指
E(カット)
人差し指
R(削除)
親指
Space(再生 / 停止)

v1.0.0 で追加されたショートカット

キー 操作 既存の代替キー
E プレイヘッドでカット X
R 選択クリップを削除 Delete / Backspace

左手で押せるその他のショートカット

キー 操作
Space再生 / 停止
Ctrl + Z元に戻す
Ctrl + Shift + Zやり直し
Ctrl + S保存
Ctrl + C / V / Dコピー / 貼り付け / 複製
Ctrl + A全選択

使い方の例:マウスを離さない編集フロー

1

右手マウスでクリップを選択

2

Space で再生して確認

3

目的の位置で Space で停止

4

E でカット → 不要部分をクリック → R で削除

マウスから手を離さずに、再生確認→カット→削除の基本編集が完結します。長時間の編集作業でも疲れにくいワークフローです。